犬の症状「ふるえ・けいれん」

犬の症状「ふるえ・けいれん」

ワンちゃんも人間と同じように、気温が低いと身震いして体温を上昇させようとします。しかし、気温に大きな変化がみられない時に体を震わせていたら病気の可能性が考えられます。また、精神的なことが原因となっていることもあります。いずれにしても、体の震えは危険信号なので、動物病院に連れていき診察してもらいましょう。

【考えられる主な原因】
 尿毒症
 脳や神経の異常
 内分泌の異常
 狂犬病
 ジステンパー
 破傷風
 低血糖
 不安・恐怖(パニック)
 寒気・低体温症
 中毒
 強い不安・ストレス
 痛み

【体の震えは痛みの現れかもしれません
ワンちゃんは、お腹や背中に強い痛みを感じていると全身が震えることが多いです。また、痙攣のような震えが止まらない時は、低体温症(重い病気やケガなどによって体温が下がった危険な状態)、中枢神経の異常、低血糖症、尿毒症、内分泌の異常、中毒、大きなケガによるショック症状などが考えられます。
精神的な理由や一時的な寒さなどによって震えが生じている場合は、安心させたり、体温を温かくしてあげれば治まります。しかし、いつまでも震えが止まらなかったり、異常な痙攣(けいれん)の症状を示すようなら、動物病院で診てもらう必要があります。

【不安や強いショックなど、精神的な不安で震えることもあります】
ワンちゃんは非常に強い不安や恐怖に襲われると、人間と同じように体の震えが止まらなくなることがあります。特に小型犬の場合、大きな雷の音を聞いただけで、恐怖のあまりに全身が震えることがあります。不安やショックが大きいと、ほとんど半狂乱の状態になってしまい、呼吸がおかしくなって、心臓病の発作を起こしたときのような状態になることも珍しくありません。
また、大きな音だけでなく、大地震などで生活空間に大きな異常が起きたときにも震える事があります。
ワンちゃんが不安を感じて震えている時は、ご家族でなくても優しく抱きしめて声をかけてあげると次第に落ち着いていきます。

【中毒による震えも疑ってみる】
中毒とは、動物の体にとって不必要なもの、あるいは有害な物質が体内に入ることで生理的な障害が起きることをいいます。代表的な中毒に、玉ねぎ中毒、アセビ中毒があります。
また、殺虫剤や乾燥剤を食べてしまう事で中毒症状が現われることもあります。特に原因が見つからず、過ごしやすい気温で過ごしていたのに急に震えが止まらなくなったら、中毒の可能性が考えられます。ワンちゃんが遊ぶスペースに殺虫剤や除草剤を撒いた、残飯の処理をしなかった(そこに薬剤がかかって、後からワンちゃんが何かを食べた)なども原因として考えられます。ご家族の行動が中毒の原因にもなるので、中毒の予防法などについて動物病院に聞いてみると良いでしょう。

犬の症状「頭を振る・耳を掻く」

犬の症状「頭を振る・耳を掻く」

ワンちゃんの耳の中はとても敏感です。また、複雑な構造となっており、人間の耳よりも通気性が悪いです。そのため外耳炎などの病気を引き起こすことも珍しくありません。ワンちゃんがしきりに頭を回転させるように振ったり、後ろ足で耳を掻いたりしていたら、耳の内部に異常があるとみた方がよいでしょう。

【考えられる主な原因】
 外耳炎
 耳の中の異物
 耳疥癬
 マラセチアによる皮膚病

【突然はげしく頭を振ったら】
ワンちゃんが突然はげしく頭を振ったら、虫や木の実などの異物が耳に入り込んだ事が考えられます。ワンちゃんの耳に入った異物をご家族が取り除こうとすると、かえって奥のほうに入り込むこともあるので、動物病院で対処してもらいましょう。動物病院では特殊な鉗子(かんし)を使い、安全に異物を取り除くことができます。

【しきりに耳を掻く仕草をみせたら】
しきりに頭を振ったり、耳を掻いているようなら、ミミダニが寄生している(耳疥癬)、細菌や真菌(マラセチアなど)に感染して外耳炎を起こしていることなどが考えられます。
また、冬が厳寒になる地域では、特に耳の長いワンちゃんや子犬さんの耳が凍傷になりやすくなります。耳が痒くなって掻き続けたことで炎症を起こし、耳がただれる事もあります。ご家族の方は、ときどきワンちゃんの耳を脱脂綿や綿棒で優しく拭くなどして、清潔に保ってあげましょう。

【ケガが原因で耳が腫れる】
耳のケガなどが原因で、耳介に血液や漿液がたまって腫れ上がることがあります。やや熱を持ち、軽い痛みが続きます。この場合、ケガの完全治癒が早期解決になるので、動物病院へ連れて行き、適切な治療と指示をしてもらうことをお薦めします。

【耳垢がたまり、かゆくなる】
外耳道が炎症を起こすと、耳垢がたまりやすくなります。耳垢はワックスのような状態で臭いがあり、頑張って優しく拭きとっても数日後には、また溜まります。動物病院での治療が必要になりますので、動物病院に連れて行きましょう。

【内耳炎は重症で歩けなくなることもある】
耳の最も奥にある内耳の神経が炎症を起こす内耳炎は、かなり重症です。内耳には、聴覚の働きをもつ蝸牛(かぎゅう)神経と、体の平衡を保つ働きをもつ前庭(ぜんてい)神経があります。蝸牛神経が炎症を起こすと、ワンちゃんは難聴になります。前庭神経が炎症を起こすと、体のバランスを保つことが難しくなり、病気の耳がある方向に円を描くように歩くようになります。重症になると歩けなくなり、横になってゴロゴロと転がるようになります。

犬の症状「熱中症」

犬の症状「熱中症」

ワンちゃんは動物の中でも熱中症になりやすい動物です。その理由は、皮膚に汗腺がないため、人間と同じ様に汗をかいて体温を下げることができない上に「口で激しく呼吸する」ことでしか体温を下げることが出来ないからです。しかも、口呼吸による体温調節は効率が良いとは言えません。ご家族の方は夏期になったら、特にワンちゃんの健康状態に気を配ってあげてください。

【熱中症にさせない3つのポイント】
 上がった体温を効率的に下げる方法がないワンちゃんにとって、熱中症は大きな健康被害となります。熱中症の症状が酷いとワンちゃんの生命に関わる緊急事態にもなりかねないので、ワンちゃんの熱中症を防ぐポイントとして、次の3つを意識しましょう。

1.閉めきった車に閉じ込めたままで車を離れないこと
 エンジンをきった夏場の車中は、短時間で室温が上昇します。また換気不足も重なるため、かなり早い時間で熱中症になると考えられます。
2.夏の暑い日に、換気や冷房をしていない部屋に閉じ込めない
 夏場は、車中でなくても室温が高くなっています。人間には我慢できる程度の暑さでも、ワンちゃんにとってはサウナに入り続けているようなものなので、意識的に換気してあげたり、エアコンを使って温度を調整してあげましょう。
3.熱中症にかかりやすい犬種や条件を考慮する
ブルドックやチンなどのつぶれた顔のワンちゃん、ふとりすぎのワンちゃん、心臓病のワンちゃんは呼吸する方法に問題を抱えています。これらの犬種は暑い日になると、特に熱中症や呼吸困難になりやすいため、換気と温度調節は特に意識しましょう。

【熱中症になると酸欠状態(チアノーゼ)になる】
熱中症になったワンちゃんは、大量にヨダレを出し、口から泡をふいた状態になります。熱中症の症状が酷くなると、充分な呼吸が確保できず、血液の酸素が極端になくなり唇や舌が紫色になります(チアノーゼ)。この状態のワンちゃんの体温は、非常に高くなっており、危険な状態だと考えられます。場合によっては命を落とす危険性もあります。また、助かっても大脳に障害が残る可能性がありますので、チアノーゼらしき症状をみかけたときは、速やかに動物病院に連れていってあげましょう。

【熱中症対策には飼い主さんのケアが必要】
 熱中症のような症状がみられる場合や、熱中症予防には、水を飲ませる、体に水をかける、冷やしたタオルを体に当てるなどして、ワンちゃんの体を冷やしてあげましょう。熱中症対策として、日頃からワンちゃんを車の中や狭い部屋、換気の悪い部屋、直射日光の下に長時間放置しないようにしましょう。

犬の症状「ヤケド」

犬の症状「ヤケド」

火傷(ヤケド)は、火、熱湯、蒸気、熱せられた金属などに触れて皮膚がただれたり、はがれるなどの傷を負うことをいいます。動物の体は大部分が水分で構成されており、熱くなりにくい性質を持っている反面、一旦熱くなると、なかなか冷えにくいので、火傷を負ったら出来るだけ早く患部を冷やすことが大切です。冷やすことでダメージを少なくすることができます。
ワンちゃんは人間よりも火傷の被害を受けやすいので、熱に対して一層の注意をはらいましょう。

【家の中にある火傷の危険性】
火傷の危険は家の中にも潜んでいます。好奇心の強いワンちゃんは、電気コードを噛んで感電し、唇や歯肉に火傷を負うことがあります。また、ワンちゃんに長時間ドライヤーを使っていると低温火傷を起こす可能性があります。さらに、熱い湯気や蒸気を吸い込んだために器官や肺に損傷をうける(内部火傷)場合もあります。
犬種によっては、何かと擦れた時の摩擦で火傷することもありますので、家のインテリアの配置や配線にも気を配るとよいでしょう。

【火傷の重度は4段階に分かれる】
火傷の症状は一般に、次の4段階に分けられます。少し皮膚に赤みが出る程度を第1度、皮膚が赤く腫れて水疱ができた状態を第2度、皮膚が剥けてしまうものを第3度、皮膚の下の筋肉なども損傷したものを第4度といいます。


【火傷の回復は応急処置にかかっている】

ワンちゃんが火傷をしたときは、ご家族の応急処置が今後の回復を左右します。体表の火傷で皮膚がやや赤くなって被毛が少し抜けている程度なら、とりあえず冷水で冷やすか、水で濡らしたタオルなどを傷の上にかぶせ、20〜30分様子をみます(水やタオルはときどき取り替えます)。皮膚の赤みがある程度ひいたら、軟膏などを塗って包帯を巻きます。
しかし、皮膚がむけたり水ぶくれを起こしているなどの重度の場合は、ガーゼや脱脂綿を冷水で濡らして、そっと火傷の上に乗せ、早急に動物病院や獣医師に連絡して、指示に従って下さい。

【夏と冬の火傷にも気をつけて】
夏場特有の火傷として、熱されたアスファルトやコンクリートによって散歩中に足裏の肉球(パッド)が火傷することが多いです。
一方、冬にみられる火傷事故では、熱く沸かし過ぎたお風呂にワンちゃんが落ちてしまって、広い範囲で火傷を負うケースがあります。このような時も、まずは冷たいシャワーなどでワンちゃんの体を冷やした後に、水で濡らした体をくるんで病院に運び、獣医師に診てもらうのが賢明でしょう。
火傷を負った後に充分な処置をしていないと、患部が化膿したり壊死(組織が死んで黒くなる)することがあります。そのような場合も、病院で適切な処置を受けることをお薦めします。ひどいヤケドは命にも関わるし、皮膚に火傷の痕が残ってしまうかもしれませんので、小さな火傷でも動物病院で診てもらうと良いでしょう。